野菜とパンの店 えすぺり
「仲間と塗った
ポーターズペイント」
野菜とパンの店 えすぺり(田村郡三春町)
(株)壱から屋 大河原多津子 様
- 施工内容
- 外壁、内部のポーターズペイントでの塗装
- 施工時期
- 2013年7月
東日本大震災から2年余りが経った2013年7月に完成しました。
私たち夫婦は田村市で有機農業を営みながら、劇団「赤いトマト」を結成し活動を続けてきました。2011年の東日本大震災、原発事故、そして風評被害によって、私たち農家の生活は大打撃を受けました。苦しい状況の中、同じ思いで苦しんでいる農家の拠点になるような場所を作りたいと思い奮起してお店を開きました。店名は「えすぺり」で、エスペラント語で「希望する」という意味です。ここでは田村の農家が作った野菜や果物、加工品を販売しています。どの商品にも生産者の名前や放射性物質検査結果、使用している肥料などをきちんと表示し、お客様に安心して購入していただけるようにしています。カフェスペースではコーヒーや簡単な食事、そして「赤いトマト」の人形劇をはじめイベントも行っています。
実は、この建物は、
たくさんの方の支援によって完成しました。
土地が決まり、設計も進んでいる中で、資金問題だけが進まずに困っていたところ、窮状を知った友人がカンパを募ってくださり、実に150人もの方々から寄付をいただきました。そして設計を依頼していたWELD建築設計事務所さんが「ポーターズペイント」を提案してくださったのです。「ポーターズペイント」は自然素材などを用いた独特の色や風合いのある塗料で、その塗料を自分達の手で塗ることによって建物への愛着や支援してくださった方への感謝の気持ちも込められるのではないかという提案でした。
自分たちで外壁を塗ることに多少の不安がありましたが、塗ってみると予想以上に楽しい作業でした。お店はイメージ通りの自然な色味でとてもおしゃれに仕上がりました。
外壁の一部と中のレジ近くの壁は、
チョークで書いたり消したりできる
チョークボードペイント(黒板塗料)を選びました。
ここには、私たちを応援してくださる方の詩や、私たちからのメッセージを書いています。
「えすぺり」で地元の農家、そして誰もが元気になれるように、さまざまな情報発信もしていけたらと思っています。
「ポーターズペイント」がつないだ人と人の絆・・・この温かく素敵な塗料を提案していただき感謝しています。